切断蹴球Vol.34「いろんな人の第一歩」

 前回やっと初練習の話になって、その時感じた気持ちをそのまま書きました。こちらから一方的にコラムとして書き残しているので読んでいる皆さんの反応が分からないのが残念ですが、告知通り、今回は奈良原選手が初練習に参加することになったきっかけを書きたいと思います。もちろん了解は得て。

 奈良原選手から連絡があった・・・のではなく、はじめは奥様からのこんなメールでした。

 

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題名: 広島でのチーム立ち上げについて

はじまして。奈良原 ○子と申します。

広島でのアンプティサッカーチームの立ち上げをニュースで観ました。主人がアンプティサッカーに興味を持ったのですが、広島で体験会などはあるのでしょうか。

主人は交通事故で右足に機能障害を負いました。幸い血行再建手術で切断は免れたのですが、感覚が麻痺していて足首から動きません。膝も90度以上は曲げられず走ることもできません。普段は装具を履いて杖を補助に歩いています。

1年前から仕事で無理が続きうつ病になってしまいました。会社を辞め現在はひきこもりのような毎日です。今は特に生きがいも持てないと言います。

以前は彼なりに一生懸命でした。でも今は外の世界にあまり興味を持てないようです。それが、TVでアンプティサッカーを見て衝撃を受けたようでした。私もいきいきとプレーされている方を見て涙が出そうでした。

私はその時、もう一度彼に生きていて良かったと思えるような人生を送ってもらいたいと思いました。

同じように障害がありながらも明るく活動されているメンバーの皆様を拝見して、主人もそうなれたら幸せだろうな・・・だけど自分を受け入れてもらえる環境を見つける難しさを主人も痛感しています。

アンプティサッカーは手足を切断された方々で構成されているようですね。彼のような人はプレーはできないでしょうか。

体験会の対象者など制限がなければ一緒に参加してみたいです。

よろしくお願いします。

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 私はこのメールを初めて協会から紹介された時、鳥肌が立ちました。忘れもしない2013年6月18日です。私はこういう方とアンプティサッカーをするために広島にチームを作ったんだと改めて感じ、もっともっと多くの方々とつながりたいと思いました。すぐに奈良原さんの奥様に、

「私が広島にチームを作ろうと思った理由の一つが奈良原様のように障害を負った方々が表に出てくるきっかけを作りたいということでした。ですから私としては受け入れるも何もありません。是非一度お会いできればと思いますし、太陽の下、皆で笑いながらボールを蹴りましょうと言いたいです!!お待ちしています。」

とお返事しました。

恐らく、メールのやり取りをする中で、ご主人と多く話されたと思いますしもしかしたら喧嘩もされたかも知れません。でもアフィーレをきっかけに会話が増えたとしたらそれだけでも一歩踏み出せたのではないかと思いますし、こうして奈良原選手本人が初練習に参加してくれたことは、それこそ勇気のいる第一歩だと思います。皆初練習に参加してくれた選手やスタッフはそれぞれ人生があり、それぞれの気持ちで参加してくれたと思います。広島に帰ってきた時、ある先輩に「お前はまだそんな金にならないことばっかりしてんのか」と冗談交じりで言われたことがあります。もちろん笑いながらで冗談なのはわかっているのですが心の中で「あなたは間違っている」と言い返しました。口には出せませんでしたけど・・・。そんな他の人から見たら何でもない活動に参加してくれた皆は確実に一歩踏み出せたんだと思いますし、私も「初練習」が開催できたことそのものが第一歩でした。あくまでも第一歩、でも本当に大きないろんな人の第一歩が振り出せたことがアフィーレが本当に動き出したということなんだと思いました。ではまた。

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apfeileA-pfeile(アフィーレ)広島代表 坂光

投稿者プロフィール

A-pfeile広島という障害者サッカー団体で代表を務めております坂光と申します。健常者と障害者の垣根を越えた交流や障害の理解、スタッフとして関わるための基礎知識など障害者スポーツ全般、スポーツ全般のトピックスを更新していきますので宜しくお願いします。

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