切断蹴球Vol.33「A-pfeile広島初練習」
- 2015/12/14
- 色々なスポーツ

設立から2ヶ月後の2013年7月15日、ついに初練習の日がやってきました。私も東京から帰広し参加。その時の練習には、新聞を見て連絡をしてきた黒田選手と樋口選手、病院スタッフの紹介で来た角選手、関西セッチエストレーラスの川合選手からの紹介で最初のミーティングに参加してくれた片岡選手、そして奥様の勧めで来られた奈良原選手がいました。今では全員中心選手です。5人全員がほとんど初めてアンプティサッカーをするということで、関西や九州の既存のチームに声をかけて選手に来ていただき、蹴り方や走り方など基本的なことを教わりました。
そんな初練習で関西の川合選手(当時日本代表キャプテン)が一番熱心に指導していたのが奈良原選手でした。以前のコラムで私は「広島のチームに東京で関わることに違和感と無力感を感じた」と書きました。その「違和感」の正体が彼の練習参加によって分かり、彼と彼の奥様のお陰で私が広島に戻ってチームを設立したいと思い立った本当の理由を確信することができました。
その違和感の正体は、「ふれあい」でした。顔を見て話をすること、実際に会って話をすること、一緒にボールを蹴ること、他愛もない会話をすること、近くにいる親近感、そして握手をすること。
私は奈良原選手が最初にご家族とドアを開けてグラウンドに入って来て、「こんにちわ~」と言われた時の顔を見て、「これは握手をしないと、誰よりも早く自分が」と思い、実際にそうしました。後にですが「あの時の握手の感触は一生忘れられない」とご本人が言われているのを聞いて、本当に嬉しかったし、行動に移して良かったと思っています。そういう心が触れる瞬間に自分自身も飢えていたのかも知れません。
その奈良原選手が初練習に参加することになったきっかけと広島に戻ってチームを設立した私の想いについては次回。