連日暑い日が続きますね。ニュースでも熱中症で病院に運ばれた方や亡くなってしまわれた方の人数の報道が目につきます。皆さん前回の帯同報告の中で、熱中症があるのに気付きましたでしょうか?実はアンプティサッカー選手にとって熱中症は非常に注意すべき症状です。それは何故かというのを今回は少し書こうと思います。
日本体育協会のホームページでは「熱中症」とは、暑熱環境で発生する障害の総称で、「熱失神」、「熱疲労(熱ひはい)」、「熱射病」、「熱けいれん」に分けられる、と書いてあります。簡単には「熱失神」は炎天下のグラウンドでずっと立っていて気分が悪くて倒れてしまうような時、「熱けいれん」は足がつったり腕や腹筋がつったりする時、「熱疲労」は頭痛や吐き気までともなう時、「熱射病」は脳機能に異常をきたし、体温調節が破たんした状態、と言えると思います。
その熱中症に対してアンプティサッカー選手が注意を必要とするのはなぜか?それは切断者だからです。切断者は四肢のいずれかを失っているわけで体表面積が減少します、つまり発汗に必要な皮膚が無いということですから熱を逃がしにくくなるということ、また切断肢末端の動静脈吻合が消失している、体内の血流量は減少している、などからも放熱のシステムを欠いています。熱がこもりやすい上に一旦熱を溜めてしまうと放熱しにくいとなれば熱中症のリスクは上がりますし、重症化しやすいということになります。これまで私は重症の熱中症に3例遭遇しました。
適切に予防さえすれば防げる熱中症重症例を3例なんて何の自慢にもなりません。ということでじゃあいったい何をすればよいのか?来週はちょっと実際に練習中に測った体温に関して考察してみようと思います。