プロ野球球団を4球団増やすのが景気対策になるのか?

Japan Professional Baseball

ニュースを見ていますと非常に気になるトピックスがありました。それはアベノミクスの一環としてプロ野球を今の12球団から4球団増やし16球団にするというもの。4球団はそれぞれ北信越、静岡、四国、沖縄にフランチャイズを置くことを想定しているとのこと。

アベノミクスにプロ野球16球団構想

アベノミクスの成長戦略に、プロ野球16球団構想も加わりそうだ。政府が6月中にまとめる成長戦略に、プロ野球の球団数を現在の12から16に増やすことが盛り込まれる見込みとなった。

日刊スポーツ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140522-00000017-nksports-base

正直この記事を見たときに「えー」っと悪い意味で驚いてしまいました。プロ野球の再編問題はよく話題として上りますが、どちらかと言うと球団を増やすというよりかは減らして1リーグ制にしようと言った感じが多いように思います。

それはひとえに売上の問題が絡んできているからです。皆さんプロ野球チームと言えばどこを思い浮かべますか?大半の人は巨人か阪神でしょう。地元にプロ野球チームがあればその球団を思い浮かべる人もいるかと思います。全国的な人気と言う意味では巨人が圧倒的でしょう。

なので人気の高い巨人、もしくは阪神と対戦をすると必然的に観客動員が増えて球団の売り上げも上がると言った寸法です。だから巨人阪神が所属するセ・リーグと一つのリーグになれば、パ・リーグは巨人阪神とも試合ができて売り上げが上がるという風に考えられています。

2004年に起こったプロ野球の再編問題を契機に、現在ではセパ両リーグの交流戦が開催されてパ・リーグのチームも巨人阪神と試合をすることができるようになりました。

しかし、巨人阪神と試合ができるから儲かってウハウハになるのかと言えばそうでもありません。実はプロ野球チームのほとんどの球団は赤字なのです。正確に言うと黒字なんですが、その黒字は親会社が広告費として補てんしているためであることが多いみたいです。詳細なデータはないのですが、一般的にそういう風にとらえられています。この辺はさらに税務上の優遇措置もあるみたいなのですが、興味のある方はこちらのブログを読んでみてください。

http://moriri12345.blog13.fc2.com/blog-entry-668.html

さてそんなわけで赤字の球団が多いのに、さらに4球団も増やしてしまって大丈夫なんだろうか、と疑問に思う方も多いはずです。だから私も「えー」と驚いたのですが、でももしかしたら大丈夫なのかもしれません。

黒字になっている球団の中には広島東洋カープと楽天ゴールデンイーグルスがあります。両チームとも地方都市をフランチャイズにしている球団です。なぜこの両球団が黒字なのか。かなり大雑把に言うと広島は「選手年俸の抑制」、楽天は「ビジネス化」と言ったところでしょうか。もちろん広島も年俸抑制だけではないでしょうし、広島・楽天以外でもこう言った取り組みをしていますが、黒字と言うことでご紹介します。

広島の年俸抑制は簡単な話で、先週の年俸を抑えて球団の支出を抑えると言うことです。基本的に活躍した選手は年俸が上がります。巨人などのお金のある球団は活躍に応じて年俸がどんどん上がっていくのですが、広島はある程度まで年俸が上がると往々にして他球団に選手が移籍することが多いです。広島の場合はちょっと特殊で、親会社がありません。自動車メーカーのマツダが大スポンサーとして付いていますが、スポンサーなので赤字の補てんはしてもらえません。だから黒字にしておかないと球団を維持することができません。

そうなると必然的に身の丈に合った経営をしなければならないので、売上以上の選手への年俸は支払うことができなくなります。だからある程度まで年俸が上がった選手は他球団への移籍を考えるわけです。まあ、当たり前と言ったら当たり前の話で、普通の会社でも売上以上の給料を社員に払うことはしないと思います。

一方、楽天はファンに対して様々な驚きや楽しさを提供することで、球場をまるでテーマパークのようにしてファンに楽しんでもらっています。普通、チームが勝てば観客はよろこび、負ければがっかりするのですが、楽天の場合は勝っても負けてもスタジアムに来れば楽しめる、そんなサービスを提供しているようです。

もちろんファンサービスだけではなく、経理からチケット販売のマーケティングまで他の球団が今までなかなかやってこなかったことを実現しているみたいです。記事は古いですが下記リンクあたりを参考にしていただければと思います。

儲かる野球で優勝も!
楽天の強かなソロバン勘定
http://www.president.co.jp/pre/backnumber/2010/20100201/13625/13633/

こう言った球団を参考にすれば球団を増やしても採算がとれて、地域も盛り上がるかもしれません。親会社頼みの球団では実現できないようなことも色々とアイデアを出して実施することになるでしょう。

しかし、別に地域を活性化するスポーツは野球だけに限りません。対抗馬として上がるのがサッカーでしょう。サッカーは今やJ3もでき、全国にプロサッカーチームがあります。とは言え経営面では非常に苦労しているところも多いのも事実です。

野球サッカーだけでなく、バレーボール・バスケットボール・ハンドボールなどなど、そしてもっと知られていないスポーツだって地域の活性化につながる可能性があります。むしろそう言ったまだ知られていないスポーツを少ない予算で広めていく方が地域の特色も出てきて、愛着がわいてくるかもしれません。

なんとなくこの「プロ野球球団を4つ増やせば景気回復!」が、「箱モノをつくって景気回復!」のような単純な発想のような気がするので、ぜひプロ野球から離れてみて総合的にスポーツの普及と地域経済の活性化、ひいては日本全体への経済波及効果を考えてみてもらいたいと思います。

 

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